ゴムの劣化 degradation,deterioration、ゴムの老化 aging
ゴムを使用すると物理的性質が低下し、硬化、ひび割れ、軟化、流動性、粘着性などの変化が生じます。これの現象を劣化といいます。ゴムは製造している段階からでも劣化が生じ始めると言われるほどゴムにとって劣化は避けられない現象です。
劣化には様々なものがありますが、それは使用される用途や使用環境によって影響を受けます。酸化をともなう熱劣化(酸化劣化)、オゾンアタックによるオゾン劣化、油や水などの流体や化学溶剤などによる環境剤劣化、光劣化、紫外線劣化、放射線劣化、機械的劣化、電気的劣化、微生物劣化などがあり、多くの劣化現象において、これら劣化因子が複数関係していることがゴムの劣化の原因を特定することを難しくしています。
ゴムの劣化と老化の用語の違いは、劣化が初期の機能が損なわれる不可逆的変化を全般的に表しているのに対して、老化は同じく物理的性質の低下を意味しておりますが、時間とともに物性が変化(ほとんどが低下)していく経時変化の現象の時に使用されます。実際には厳密に分けて使用されることはほとんどなく、ゴムの場合、劣化も老化も同じ意味として使用されています。
ゴムの劣化(老化)を遅延される目的でゴムに配合する様々な老化防止剤(劣化防止剤)があります。その機能から、酸化防止剤、熱老化防止剤、オゾン亀裂防止剤などと呼ばれることもあります。
関連用語
heat aging,thermal aging,thermal degradation:熱劣化、熱老化
heat hardening degradation:熱硬化型劣化
heat softening degradation:熱軟化型劣化
oxidative degradation:酸化劣化
oxygen degradation:酸素劣化
ozon cracking:オゾン亀裂、オゾン劣化
environmental degradation:環境劣化
photo oxidation:光酸化
photodegradation:光分解性
紫外線劣化
radiation induced degadation:放射線劣化
chemical degradation:化学劣化
hydorolysis:加水分解
flex cracking:屈曲亀裂
solvent crack:溶剤亀裂
sun-light cracking:日光亀裂
dynamic fatigue:動的疲労
fatigue failure:疲労破壊
swell:膨潤
volume swell:体積膨潤
copper-induced degradation:銅害
aged deterioration:経年変化
antideradation,antideteriorant,antioxidant,age resister:老化防止剤、劣化防止剤