ブルーム(ブルーミング) bloom(blooming)

ゴムの配合剤が配合ゴム表面に析出し粉がふいたように結晶化(花模様)、被覆する現象をブルーム(ブルーミング)といいます。

硫黄、老化防止剤、ワックス(パラフィン)などのある種の配合剤でこの現象が生じやすく、外観をそこね商品価値を失う場合と、ゴム製品の性能向上(耐候性、耐オゾン性、耐摩擦性)のため意図的にブルームさせる場合があります。

ゴムはロール練りによって様々な配合剤を添加しますが、ロールで練ることによって発熱し温度が上昇します。室温より温度が高いため溶解度が異なる配合剤は、室温時よりゴムに過剰に溶解します。ロールから取り出された練生地は、しばらくすると室温に温度が下がりますが、温度上昇時に室温で溶解するはずの量を超えて溶解しているため、余分に溶解している分が、ゴムの外へ出ようと表面に析出する、つまりブルーム(ブルーミング)現象が現れます。

ブルーム(ブルーミング)は、外観上の商品価値、接着性、塗装性を低下させます。ブルーム(ブルーミング)を防ぐには、配合剤を少なくしたり、ブルームしにくい配合剤を使用します。接着不良の原因となる加硫剤の硫黄によるブルームを防ぐために、加硫剤としてよく使用されている単体硫黄を使用せずに、ゴムに溶解せず分散するだけの不溶性硫黄が用いられることがあります。

また、ジエン系ゴムなどで表面にブルームさせることによって、大気中のオゾンからの攻撃による劣化の進行を遅らせることができたり、表面にできた膜によって滑りを良くすることができます。このブルーム形成剤(表面亀裂防止剤、表面滑性剤)として、ワックスが使用されます。ワックスには、ブルームしやすいがゴム表面に形成された膜の耐久性が低いパラフィンワックスと、ブルームに時間がかかるが形成された膜が比較的安定しているマイクロクリスタリンワックスがあります。


関連用語
bleed,bleeding:ブリード
 →主に液状の配合剤がゴム内部から表面ににじみ出てくる現象。
wax,waxes:ワックス
paraffin:パラフィン
 →分子量の小さいものは、液状で流動パラフィン。分子量が増加すると個体となりワックス。